できる営業は知っている購入プロセス!医療機器購入の法則とAIDMAの法則

AIDMA (アイドマ)の法則をご存知でしょうか?
とても有名なフレームワークでご存じの方も多いのではないでしょうか。

これは、顧客が購入を決定するまでのプロセスを、5段階にわけたものです。
顧客が現在、購入プロセスのどの段階にいるかを確認し、その段階に応じた戦略を考えるフレームワークとして役に立ちます。

そして、医療機器の販売においても、独自の購入プロセスが存在し、その段階に応じた戦略を実行すれば、採用までをスムーズに行うことができるでしょう。 

医療機器の紹介から採用までのプロセスを知りたい。
医療機器の営業戦略を身に着けたい。
スムーズに進まない営業活動を何とかしたい。

ここでは、まずAIDMA(アイドマ)の法則の基本について解説し、その後、医療機器の採用の独自プロセスについて解説いたします。

さあ、ワンランク上の仕事を目指しましょう。

営業マンなら知っておきたい AIDMA(アイドマ)の法則

営業活動の目的は、最終的に顧客に商品を購入してもらうことです。

その購入に至るまでプロセスとは、商品の存在を全く知らないところから始まり、商品を知る→興味を持つ→欲しくなる→記憶に残る→購入するまでの道のりを辿ることになります。

顧客の購買段階は以下の通りとなり、その頭文字をとってAIDMA(アイドマ)の法則といいます。

1. Attention(注目)まずは商品の存在を認知してもらう段階です。
2. Interest(興味・関心)どういった商品なのか興味を持ってもらう段階です。
3. Desire(欲求)顧客にほしいと思わせる段階です。
4. Memory(記憶)商品のことを顧客の記憶に残り検討する段階です。
5. Action(行動)購入を決断する段階です。

医療機器購入の法則  プロセスごとに戦略を!

AIDMAの法則を基軸に医療機器の購入プロセスを考え合わせると「AITCEAS」の法則となります。

「AITCEAS」は、以下の頭文字から成り立っています。

  1. Attention(注目)
  2. Interest(興味・関心)
  3. Trial(試用)
  4. Comparison(比較)
  5. Examination(審査)
  6. Action(行動)
  7. Share(共有)

実に7つの段階を通ることになるでしょう。
この 「AITCEAS」 の法則について、わかりやすく解説いたします。

Attention(注目)

商品やサービスを認知してもらう段階です。
病院側は、商品はサービスの存在をまったく知らない段階にあります。
営業にとっては、商品やサービスを認知してもらうために、手段や方法について、戦略を立てる段階です。

病院で使用される医療材料や機器は、テレビやCMで宣伝されることはありません。
そのため病院側は、製品を知る機会が少なく、学会や業界誌、営業マンからの情報などが頼りとなります。

Interest(興味・関心)

病院側に興味や関心をもってもらう段階です。
先ほどのattentionからinterestへの段階に移ることは、比較的容易に進む場合が多いでしょう。
相手に興味や関心をもってもらうためには、まず病院側のニーズを調べておくこと、聞き出すことが大切です。

まいき くん
まいき くん

病院や医療従事者が抱えている問題や課題を調査することは大切。
その問題を解決できる商品を提案すれば、すぐに興味をもってもらえるからね。

医療機器の営業は、会話の中で病院側のニーズを引き出し、そのニーズに応じた商品紹介することが大切になります。

リク丸
リク丸

相手にニーズがない場合は、こちらからニーズを作る場合もあるよ。
たとえば、病院で自作が当たり前(不満ではない)と思っている所に、自作しなくてもよい既成品を紹介するとかだね。

Trial(試用)

本当に使える?メリットがある?安全性は?などを検証してもらう段階になります。

医療機器は、採用までにその安全性や有効性を検証していただくことがほとんどで、サンプル品やデモ器などを試用してもらいます。

この検証によって問題なく使用でき、さらに病院側にメリットがあれば次の段階へと進むことができるでしょう。

注意

このTrialの段階は、次のComparisonの段階と順番が入れ替わる場合があります。

Comparison(比較)

比較をする段階になります。
現行商品との比較、価格の比較、他社商品との比較などが行われます。

現行商品との比較とは、現在採用している製品にスポットを当てて比較することをいいます。

価格の比較は、現行採用品の価格やベンチマークといわれる全国の価格情報をもとに比較検討されます。

まいき くん
まいき くん

病院の収益に関与する商品であれば収支についても現状と比較するよ。

他社商品との比較は、他のメーカーが販売する同種同効品と検証されることをいいます。

この比較の段階で問題なければ、いよいよ購入検討へと進みます。

Examination(審査)

ほとんどの病院では、医療機器を購入する際、材料購入委員会や事務局などで購入の検討が行われます。
ここでは、収益についてはもちろん、他の部署への影響、購入する代理店など、さまざまなことが検討されます。

Action(行動)

一般の商品では、購入行動・決断の段階になりますが、医療機器の場合は、前段階で採用が決定されており、比較的容易に進みます。

購入のタイミングや在庫数についてなど運用面での段取りについて話し合いが行われる段階になります。

Share(共有)

採用されたのち、優れた商品であれば、医療従事者のネットワークなどで共有されます。
たとえば、学会、論文、医局、口コミなどでその製品の評価が語られ、他の医療従事者へと影響を与えることになる段階です。

この段階は、医療機器の営業として非常に重要な段階です。

製品の情報が口コミや学会などで認知・興味をもってもらえれば、購入プロセスのattentionやinterestが労せず済まされていることになります。
自分が案内しなくとも、購買のサイクルが周り始めることになります。

それぞれの購入プロセスに自分なりの戦略を立ててみよう!

医療機器の購入プロセスを図にし、営業計画を具体的に書き出すと、次のようになります。

それぞれの段階に応じた戦略を考えることになりますが、現時点で自分の助けとなる要素、妨げとなる要素を明確にしましょう。

それにはSWOT分析が役に立ちます。

自分が潜在的に持っている「強み」「弱み」と現状の「機会」「脅威」を洗い出すことによって、現状のプラスの要因を最大限に活かし、マイナスの被害を少なくすることができます。

SWOT分析については、別記事にて解説しています。

リク丸
リク丸

特に「強み」×「機会」を戦略に有効に使うことがポイントだよ。

見えていなかった良い戦略が見えてくるよ。

アフターフォローは完璧!できる営業は次のビジネスも視野に入れる!

医療機器の営業が行うべき、採用後のアフターフォローは2つあります。

製品のアフターフォロー

1つは、製品のアフターフォローです。
医療機器には、特定の医療従事者が使用するものから、多くの部署に関わる製品もあります。
特に多くの医療従事者が関わる製品は、使用にあたりクレームや取り扱い間違いが発生することが少なくありません。
中には患者の命や健康に関わるリスクが高い製品までありますので、売りっぱなしというわけにはいきません。
どんな医療機器も採用後、問題なく順調に使用されているか声をかけるようにしましょう。

関わった人へのアフターフォロー

もう1つは、人へのアフターフォローです。
医療機器の購入は、一般消費者の購入とはちがい、購入の意思決定(申請者)と購入の判断(決裁者)が別になります。
例えば、消化器外科の先生が購入申請し、購買部の担当者が検討と購入判断する。
つまり申請が終わると、一旦案件が申請者の手元を離れ、購買部の職員などの管轄となり、審査や交渉、調整が行われます。
申請者とは、疎遠となりがちですが、必ず採用までの進捗度合いの報告や、採用が決まったときのお礼など、必ず行うようにしましょう。

医療従事者との信頼関係はとても重要です。
今後の営業活動がスムーズに行うために人へのアフターフォローを心がけるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、有名なフレームワークAIDMAの法則を原型に、医療機器の購入プロセスを「AITCEAS」として解説いたしました。

医療機器を営業するにあたり、自分が今どの段階にいるかを理解すれば、これから行うべき行動や現状の課題が見えてくるかと思います。

課題に対しては、SWOT分析による「強み」と「機会」を活かしながら進めれば、活路も見えてくることでしょう。

また、採用後のアフターフォローはとても大切です。
医療従事者との関係が良くなれば、向こうから案件の依頼があったり、商談がスムーズに進んだりと、とてもメリットが多いでしょう。

つまり、AttentionからAfter followまでを視野に入れて営業活動に励むようにしましょう。

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