病院は、医療行為を患者に行い、その対価として報酬を得ます。
この報酬の中から、ドクターや医療従事者の人件費、施設の光熱費、医療機器や材料の支払いをします。
医療機器の購入は、病院に収入があってこそなんだ。
収入を得るために、病院は医療材料や機器を使う。
だから医療機器と病院収入は、密接な関係あるんだ。
今回は、次の項目に興味のある方にとって、価値がある内容です。
病院が診療報酬を得る仕組みを知りたい。
病院の医療機器購入する理由を理解したい。
医療器を購入する収入源を知りたい。
病院の収入の仕組みを知ることは、医療機器の販売において必要な知識になります。
しっかり理解しておきましょう。
診療報酬の請求と支払いの流れ
診療報酬は、病院の医療行為の対価として支払われます。
まずは、その流れについて理解しましょう。
診療報酬の請求と支払いの流れの相関図
診療報酬の請求と支払いの相関図になります。
大きくわけると「医療機関」「患者」「審査支払機関」「保険者」の4つの関係から成り立っています。
この4つの関係に、医療機器販売業の関係を加え相関図に表したものが下記になります。
わかりやすく各ブロックごとについて解説いたします。
医療機器販売業は、医療機関の立場に立って営業活動をしなければなりません。
たとえば、医療機関と同じように「患者」にとって良い製品とは何かを考えたり、また「審査支払機関」の審査のことまで念頭に置きながら提案しなければなりません。
すべての国民は保険料を納めています。
私たち国民は、勤め先や市町村を通じて保険料を納めることにより、国民皆保険に加入しています。
保険料を納めている証明として保険証を発行してもらいます。
すべての国民は、次のいずれかの公的医療保険に加入し、保険料を納めています。
組合保険 | 単独で700人以上、共同設立の場合は3,000人以上の社員がいる企業が単独で設立 |
協会けんぽ | 組合健保のない中小企業の社員。船員(船員保険) |
共済組合 | 公務員・教職員・警察など |
国民健康保険 | 自営業・退職者など |
後期高齢者医療制度 | 75歳以上の人、および65歳以上74歳以下で一定の障害がある人 |
保険者からは、保険証(組合員証など)が交付されます。
一般の会社員の場合は、勤め先の会社が、加入から支払い手続きまで代行してくれているよ。
保険料も会社が半分負担してくれているんだ。
次は、保険証を使って診察や治療をうける場合を見てみましょう。
病気やけが。医療機関で診察や治療を受けます。
病気やケガなどで医療機関を受診したとき、患者は保険証を提示します。
これは医療保険制度に加入していることを証明するためです。
患者は、一部負担金を支払うことで、医療行為を受けることができます。
すべての医療行為には、診療報酬点数表に基づいて点数が定められています。
点数は、1点=10円とされてるよ。
たとえば、1回目にかかる初診料282点は、2,820円となるんだ。
自己負担が3割だった場合、2,820円の3割の850円の支払いだね。(10円未満は四捨五入)
医療機関は、診療報酬を保険請求しますが、適正な医療行為なのかの審査が必要になります。
次は、医療行為を適正判断する審査支払い機関についてです。
審査支払い機関で医療行為の適正を見極めてもらいます。
病院は、保険診療による医療費をまとめて(1か月分、1日~末日)レセプト(診療報酬明細書)という形で審査支払機関へ請求します。
審査支払機関は、病院から提出されたレセプトなどの審査を行い、適正に医療行為がおこなわれているか判断し、診療報酬の支払いをします。
審査結果は、各都道府県によって違いがあって公平性に欠けるんだ。
解消するために審査基準の統一化や新システムの導入が検討されているよ
保険者による医療費の支払い
審査支払機関は、保険者に対して審査結果を報告します。
保険者は、審査支払機関から受け取った報告に対し、医療費の支払いを行います。
その財源は、皆さんと事業主から納めていただいた保険料と公費になります。
診療報酬はどうやって決まっている?
診療報酬は、厚生労働大臣が決定しますが、 中央社会保険医療協議会で話し合いが行われています。
中央社会保険医療協議会は、中医協と呼ばれ、診療報酬や薬価、特定保健医療材料などの診療報酬改定について、審議や意見を述べることができる厚生労働大臣の諮問(意見を求める)機関です。
診療報酬の見直しは、通常2年に1度行われます。
薬価は、2年に1度でしたが、2021年度より毎年改定となったようです。
医療費を支払う側と、診療報酬を得る側との間で激論が交わされるんだ。
公益委員は、中立な立場で調整してる感じだね。
まとめ
今回は、病院の収入源となる診療報酬について説明しました。
病院は、非営利組織といわれますが、他の一般の企業と同じように、製品を仕入れ、サービスを提供し、報酬を受け、差額を収益としています。
一般企業と違うのは、そのサービスに外部の審査が入ることと、良い製品を使っているからといってサービスの価格を決めることはできないことです。
このような特殊な仕組みを理解しながら、営業活動に取り組みましょう。
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