就職する前に知っておくべき医療機器ディーラー営業の真実!良い点VS注意点【後編】

前回は、医療機器ディーラーの営業の良い点についてお話しました。

今回は、就職する前に知っておくべき【注意すべき点】についてお伝えします。

医療器業界への就職を考えている次の方の助けになる内容です。 

医療機器ディーラーへの就職・転職の決め手に悩んでいる。
現場から見た医療機器ディーラーの実際を知りたい。 
医療機器メーカーと医療機器ディーラーの違いを知りたい。
自分自身に合う職業なのか、見極めたい。

 就職や転職を考えてるあなたの準備のお手伝いができれば幸いです。

就職や転職する前に医療機器ディーラーのことを知り、 後悔や失敗のないようにしましょう! 

知ることで準備!医療機器ディーラーの5つの注意すべき点

事前に注意点を知ることで、自分と職業の相性や適合性を見極めることができます。
実際の現場で働く視点で、医療機器ディーラー営業のネガティブな点を注意点としてあげます。

納品も営業がするの!?医療機器ディーラーの営業の実際

 医療機器ディーラーの営業の仕事に、納品業務があることは事実です。

病院から受けた注文や、ドクターから依頼された手術物品などを、準備して納品します。

営業のついでに納品している、もしくは、納品のついでに営業をしているような感じがあります。

ただし、この納品業務には、営業経験や社歴の浅い人ほどよく携わっています。
新人の時は、1日の業務のうち、60%から70%は、この納品業務に携わることになるでしょう。
これは何も悪い話ではありません。
納品業務のときに医療従事者と接し、仲良くなっていくことから営業が始まっていきます。

ある程度の仕事ができるようになれば、納品業務から少しずつ解放されることになるでしょう。
つまり営業活動の割合が増えていきます。
担当施設にもよりますが、納品業務は、1日の業務のうち10%から40%ほどになるでしょう。

 まいき くん
まいき くん

営業の仕事ができるようになれば、納品業務も少なくなるんだね。

最近の大手医療機器ディーラーには、納品(配送)部門を独立して設けているところもあります。
単純な納品や定期的な注文は、この 納品(配送)部門 が行い、営業のほとんどは、関与することがなくなります。

ただ、納品業務が完全になくなるわけではありません。
単純納品(配送)の難しい物品、ドクターから直接依頼された症例物品、サンプルやデモ品など、営業が直接納品しなければならないものが必ずあります。

納品業務は、医療機器ディーラー営業にとって、避けることのできない業務の一つと言えます。

医療機器ディーラーの営業車は貨物車!?乗用車じゃないの?

医療機器ディーラーは、納品業務があるため貨物車を採用している企業が多いです。
特に、大手の総合医療機器ディーラーは、貨物車を多く採用してします。

貨物車とは、物資を運搬することを目的にした車両のことを言います。
一般的には商用車とも呼ばれています。

医療機器ディーラーの営業がよく使用している貨物車は?

トヨタプロボックス、タウンエースバン、日産ADバン、バネットバンなど。
その他にも軽自動車のミニキャブやエブリイなども見かけます。

リク丸
リク丸

貨物車は、ナンバープレートの上部にある3桁の頭文字が、4ナンバーになっているよ。

荷物を積むため、後部座席は簡易的なもので、折り畳まれることが前提に作られいるんだ。

車内の装備についても、最低限のものしか着いていないよ。

病院に来る営業車がすべて貨物車であれば、それほど気になりませんが、 医療機器メーカーのほとんどが、装備の充実した乗用車で、どうしても比較してしまうのです。

診療科に特化した専門医療機器ディーラーは?

乗用車や従業員のマイカーを借り上げる制度を取り入れてるところがあります。
借上げ制度の企業に勤める場合は、条件や内容を確認して起きましょう。
従業員の負担が大きい企業もあるので注意が必要です。

医療機器ディーラーの営業は、毎日のように納品業務があり、荷物の出し降ろしを頻繁に行うたため、どうしても車が汚れがちです。
医療機器を扱ってる職業ですので、車は清潔に保たなければなりません。

本当にあるの?知っておくべき休日出勤や緊急の呼び出し!

医療機器と言う商材を扱う業種のため、休日出勤や緊急の対応があります。
しかし、その頻度はどうでしょうか?

整形外科や血管内カテーテル治療など、緊急性の高い商材を扱っている専門医療機器ディーラーは、休日や緊急の対応が比較的多いです。

呼び出される頻度は、担当する医療施設や取り扱う商材によって違いがあり、呼び出しが全くない施設から、月に2,3度ほど呼び出しがある施設など様々です。

一方で一般医療機器材料を主に扱う総合医療機器ディーラーの休日や緊急の対応は、比較的少な目です。
なぜなら一般医療機器材料は、ある程度病院に在庫しているため、呼び出しされることは滅多にありません。
ネット上で「休日に呼び出されることが多い!」と声をあげているのは専門医療機器ディーラーの方がほとんどです。

まいき くん
まいき くん

ただし、総合医療機器ディーラーでも診療科に特化した部門の場合は、緊急性の高い商材を扱っているため、 休日や緊急の対応が多くなるよ。
その点は、専門医療機器ディーラーと同じだね。

緊急や休日の呼び出し対応について、体制を整えている企業もあれば、担当者まかせの企業もあります。

体制が整っている企業は、当番制などを取り入れ、個人の負担を分散するような仕組みを取り入れています。
担当者任せの企業は、個人の負担が大きく、休日のデートや友達との飲み会の最中に、呼び出されたりすることもあります。

休日出勤や時間外労働、深夜労働にした場合の手当は、割増の賃金が発生します。
就職する前に、緊急時の体制や、給与面の手当てなどの内容を確認しておくようにしましょう。

医療機器ディーラーは給料が安い!?実際の年収格差

医療機器ディーラーの給料と、世間一般の企業の給料を比べてみました。
賃金構造基本統計調査結果などの情報から平均年収を見ると、大学卒20~24歳で年収約330万円、大学卒30~34歳では年収570万円とあります。

医療機器ディーラーの営業は、大学卒20~24歳で年収320万円から350万円と、世間一般の企業と比べてもそれほど大差はありません。
しかし、大学卒30~34歳の年収570万円は、それなりに出世や昇級をしていなければ、到達していないでしょう。

では、世間一般と大差のない医療機器ディーラーの給料が安いと言われるなぜでしょう?

それは、その業界で働く外資系医療機器メーカーや大手国内医療機器メーカー、ドクターなどの医療従事者の年収と比べると低いからです。

外資系医療機器メーカーは、年収約550万から650万あたりからはじまり、インセンティブや勤続年数を重ねることで、年収1千万以上に到達したりします。

国内の大手医療機器メーカーにおいては、400万円前後のスタートが多く、医療機器ディーラーと比べて大差はないものの、勤続年数や出世によって格差は広がります。
小規模医療機器メーカーは、医療機器ディーラーの給料と比べ、それほど大差がないように思えます。

医療施設で働くドクターや看護師と比べてみても、医療機器ディーラーの給料は安いです。
ドクターの平均年収は、約1200万円 、看護師の20代の平均年収は、400万円前後あります。

医療機器業界でディーラーとして働くと、周囲で働く人たちの給料が良く見えます。
そのため、医療機器ディーラーから外資系医療機器メーカーや国内の医療機器メーカーに転職する人も多く、珍しくはありません。

医療機器ディーラーの未来は安泰?

薬を扱う医薬品卸業者は、1991年当時、375社ありましたが、業界再編により現在は、大手4社の寡占状態にあります。

医療機器ディーラーの業界も同様の流れになることは否定できません。

アメリカでは、1983年以降数百社存在していた医療機器ディーラーは再編され、オーエンズ&マイナーとカーディナルヘルスの2社の巨大卸体制になっています 。

医療機器は医薬品と違い多種多様な製品や用途があり、また、病院の物流管理委託業務(SPD)や細かなサービスを求められたりするため、急速に再編が進むことはないと言われます。

しかし、国内において M & A や共同会社の設立などの流れは、たしかに存在します。
この流れは今後も続くことが予想されます。

リク丸
リク丸

M&Aによって会社の規模が大きくなることは、従業員にとって悪いことではないよ。

働く環境が改善されたり、メーカーへの影響力もあがるからね。

そのほかにも、中間マージンを利益とする医療機器ディーラーが無くなれば、医療機関は、もっと安い価格で仕入れることができるという考えが常にあります。
医療機器メーカーと病院が直接取引をする仕組みについても常に議論されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
医療機器ディーラーの営業へ就職する良い点と注意点について、前編と後編に分けてお話しいたしました。

医療機器ディーラーの営業は、医療機器メーカーとは違い転勤がない、もしくは非常に少ないことが、大きな魅力の一つではないでしょうか。
家族を持つと、日常生活がどうしても地域に根付いてしまいます。
転勤となれば精神的な負担や、家族に負担をしうることになります。

家族が暮らす地域で、やりがいを持って定年まで働き続けたい人にとっては良い職業だとおもいます。

一方、医療機器メーカーと比べて給料の安い点では、 精神的につらいところです。
多くの人が給料アップを目標の一つとして仕事をしている中、給料が簡単にあがるメーカーへの転職には心が魅かれます。
収入が良いことに越したことはないですからね。

就職や転職は、自分だけの問題ではありません。
将来の人生プランや、家族のことも考えて決めましょう。

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