何気なく普段利用している病院も、大きな大学病院から街のクリニックまでさまざまな種類があります。
大学病院や市民病院、○○会病院、○○医療センターとか。
病気やけがのときは、気にせず受診してるけど・・・
病院の種類を理解しておくことは、この業界で働くうえで大切です。
医療従事者とっては、常識とされる知識ですので覚えておきましょう。
営業に訪問する施設が、どんな種類の施設か?
理解することは大切なんだ。
営業先となる病院の種類を理解しておこう。
営業するうえで必要な病院の分類を覚えておこう。
分類と同時に病院の性質も覚えよう。
それでは、医療機器営業のための基礎知識を身につけていきましょう!
入院患者の受け入れベッド数で区別。病院と診療所
病院と診療所は、医療法において明確に区別されています。
病院とは、医師または歯科医師が医療行為を行う場所であり、20人以上の患者を入院させることができるベッド数を持つ施設のことです。
診療所(クリニックや小規模の医院など)とは、医師または歯科医師が医療行為を行う場所であり、19人以下の患者を入院させることができるまたは、入院のベッドを持たない施設のことをいいます。
簡単におぼえるだけで大丈夫!
ベッド数を20床以上もっているのが病院。
19床以下がクリニックや医院などの診療所
とだけ頭にいれておけば十分だよ。
2021年3月時点で、病院は約8,000施設あります。一般の診療所は、有床と無床を合わせて約100,000施設あります。
一般診療所は、年々増加しているのだ。
開業が多いってことは、医療機器の販売にとってはチャンスだね。
病院を開設したのは誰?経営の形がみえる病院分類。
病院も普通の企業と同じように開設者が存在します。
病院の開設者は、経営責任を負い、原則として営利を目的としない法人または、医師(歯科医業にあっては歯科医師。)個人であることになっています。
病院開設視点 5つの分類
病院の開設者はさまざまです。
国や都道府県などによる公的な機関による開設や、民間の医療法人などの個人による開設もあります。
その種類を見ていきましょう。
国立系病院
厚生労働省が直接経営・所管している医療施設。
主に、国立病院機構病院や国立大学医学部付属病院、国立高度専門研究センター、医療刑務所などがあります。
国立病院機構は、140の病院施設があり、国内最大の病院グループになります。
近年は、国立系医療機関が共同で購入を行い、医療機器・診療材料の価格引き下げ活動が盛んに行われているんだ。
この共同購入による採用/不採用は、医療機器メーカーにとって影響が大きいんだ。
採用されれば140の施設に対する大きな売上になるけど、採用されなければゼロになるからね。
医療機器ディーラーは、メーカーほどの影響はないけど、価格競争に巻き込まれるため利益は減るんだ。
公的医療機関
医療法第31条の規定において開設する医療機関。
都道府県立や市町村、日本赤十字社、公立大学病院、済生会病院などがあります。
公的医療機関の中には、経営を民間に移譲する公設民営化も進んでいます。
大学(附属)病院は、医療機器販売においてすごく重要だよ。
その大学病院で使用されている製品は、ドクターが異動した先の病院でも使用されることが多いんだ。
医療機器メーカーにおいて、大学病院で製品を採用されているということは、他の病院への拡散効果が期待できるんだ。
社会保険関係団体
国家公務員共済組合病院、健康保険組合病院などがあります。
公務員共済組合病院は、その名の通り公務員の共済組合によって開設されています。
健康保険組合病院は、主に民間業界、大手企業やその企業グループの社員の保険組合によって開設されています。
医療法人
民間によって開設された病院です。
医療法に基づき、病院、医師もしくは、歯科医師が常時勤務する診療所、または介護保険老人施設の運営を目的として開設された民間の医療法人です。
各都道府県に許可を受けて設立した病院になります。
大きなグループ病院から規模の小さい病院まであるんだ。
全国の病院の約68%がこの医療法人なんだ。
グループ病院では、集約して医療機器の購入を行っているところもあり、影響は大きいんだ。
小規模の病院は、整形外科や脳外科、療養などの特定の診療科に特化しているところが多いよ。
その他
個人、公益法人、私立学校法人、医療生協、会社など。
私立学校法人の病院は、主に大学の医学部に附属している病院だよ。
公的な大学病院と同様に、大学で慣れた医療機器を異動先でも使うため、医療機器メーカーにとって重要な営業先なんだ。
機能別の5つの病院
一般的な病院の機能以外に、一定の機能を持った病院が存在します。
これらは医療法によって機能別に区分されています。
特定機能病院
高度な医療の提供、高度な医療技術の開発または、高度な医療に関する研修を実施する能力などを備えた病院です。
厚生労働大臣が個別に承認しています。
承認要件としては、400病床以の施設であること、医師は、通常の2倍程度の配置が必要などの高い基準をクリアしなければならない。
承認を受けている87病院のうち、79病院が大学(附属)病院なんだ。(令和2年度12月1日現在)
大学病院が多いのは、高度な研修を持って医師を育てることができる施設だからだよ。
地域医療支援病院
紹介患者を中心に、医療を提供している200床以上の病院。
患者にとって身近な地域で医療が提供される観点から創設されています。
救急医療の能力や、地域の医師等が医療機器等を利用できる体制を持ってることなどが条件。
都道府県知事が個別に承認します。
承認要件として、紹介率80%を上回っていることなどの要件を満たす必要があります。
他の病院や地域の開業医との連携が重要な施設です。
全国に600以上の施設が承認を受けているんだ。
他の病院や開業医との連携ができていて患者数も多い。
そのため、手術件数も多く、医療機器を販売する営業にとっては大切な病院だよ。
疾患別病院
疾患別病院は、患者の病気によって分類される病院です。
精神科病院
精神障害をもった患者の治療やケアに特化した病院です。
一般の病院と比べて医療機器の使用が少ないんだ。
特に、売上単価の高い治療系医療機器は、あまり使わないんだ。
結核病院
結核患者の公費負担医療を担当する病院。
呼吸系と感染防止系の製品が売れる施設だね。
これら製品を販売している医療機器メーカーにとっては重要な施設なんだ。
将来に向けて医療機能を4つに分類!
地域の医療を効果的に、または効率的に実施するために、病院の病床を4つの機能に分けて医療体制を整えようとする取り組みがあります。
地域医療構想と呼ばれ、その地域の状況に応じた医療を提供する制度だよ。
病院が持っている病床を高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4つの機能に分類し、地域医療の集約と連携を目指しています。
ここでは4つの機能について説明します。
高度急性期機能
「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能」を持っています。
(高度急性期機能に該当すると考えられる病棟の例)
救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集
中治療室、総合周産期集中治療室など
急性期機能
急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能」 を持っています。
治療に使われる医療材料は、高度急性期・急性期の医療機関で多く使用されるよ。
そのため病院の材料購入額も大きいよ。
回復期機能
病状が急激に現れる急性期を乗り越えた患者の、身体能力の回復を図る期間に入ります。
在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。
理学療法士さんや作業療法士さん、あと言語聴覚士さんなどの技師さんが活躍しているよ。
リハビリ機器を販売している企業にとって大切な医療機関だね。
慢性期機能
病状が比較的に安定しており、一定の治療やケアを行う期間があります。
長期わたり療養が必要な患者を入院させる機能。
慢性肝炎や糖尿病、肝硬変などの慢性疾患をもっている患者さんが対象となるんだ。
まとめ
今回は、病院の種類を営業目線も加えながら説明しました。
医療機器を販売する上で、大学(附属)病院の重要さが理解いただけたかと思います。
また、特定機能病院は、高度な医療の提供が可能な施設であり、言い換えると最先端の医療機器を使う施設とも言えます。
最先端の医療の開発や製品を紹介することは、病院のニーズに合っています。
これら病院の分類は、病院で働く職員にとって常識の知識です。
営業先である医師や看護師、職員と同じ常識を持って話すことは重要です。
医療機器販売の基礎知識として身につけておきましょう。
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